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産業財産権

中小水力発電

中小水力発電は、水車を利用して水の流れ(エネルギー)を電気エネルギーに変換して利用するもので、発電方式は大きく分けて水路式とダム式の2つがあります。水路式は河川から取水し、下流の河川へ放流する間の河川購買で得られる落差を利用して発電するものです。ダム式は、河川をダムによってせき止め、貯水することによって上流水位を上昇させて落差を得て発電するものです。双方とも出力は利用する水の落差と流水量によって決まります。近年、流れをそのまま利用するプロペラ式も開発・活用されています。

 

出力は利用する水の落差と流水量の積によって決定します。このため、設置地点の流水量や水の落差に適した水車の選択、季節や機構による流量変動への対処が必要になります。

 

中小水力発電は、最近では勾配の小さな農業用水路の流れを利用することや、農産物加工工場の電源として期待されています。前者については、勾配の少ない用水路から効率よく発電する水車の開発が期待されています。

 

中小水力発電は、エネルギーとしては無尽蔵であり、ローカルエネルギーとして有効な資源です。

 

発電の規模によって以下のように区分しています。

中水力 10,000~100,000kW
小水力 1,000~10,000kW
ミニ水力 100~1,000kW
マイクロ水力 100kW以下

 

 

●  特徴と課題

特   徴 課   題
・  少ない水量と落差で発電が可能(農業用水、上下水道等) 

・  余剰電力で温水を作ることが可能

・  充電装置を設置し、より効率的な使用が可能

・  自然環境調和型:魚や蛙が通過できる水車や水質改善について空気泡を注入する等、生態系を壊さない設置が可能

・  水量変動の影響の克服(水の流れで発電しているので、季節や天候等の影響を受ける。特に水路式発電) 

・  年平均降水量が多く河川勾配が急な地帯での設置が適している。

・  導入の際、需要先のバランスを見極めながら設置地点を検討し、河川の構造や流量等を把握する。

・  制度では水利権の設定、電気事業法ならびに河川法による許認可手続きが必要になることがある。

・  河川による水路式発電の場合、河川管理者との協議等が必要

・  山間部における土木工事コスト低減

 

 

コスト

中小水力発電の設備費は他の電源に比べて高くなっているが、設置後は燃料を必要としないため、少ない運転経費で安定した電力を得ることが出来る。

 

初期費用 どのような立地条件で建設するかによって、初期費用は大きく変動する。 

山形県の事例では、80~200kWで発電装置が50万円/kW、土木工事費は15~50万円/kWとなっている(事例では、さらに水路改修費として1,500万円かかっている)。

維持費用 ランニングコストも施設・設備の減価償却の算入等立地によって大きく変わる。山形県の事例では、メンテナンス費用、水路補修費、水路使用量、保安費用等の維持費は出力200kWで200万円/年、(80+200)kWで250万円/年

 

 

●  活用内容

動力源 電源としての活用方法
飲料水型 

水力発電

既設の簡易水道の飲料水 ・  山里で採れた椎茸等の乾燥機の電熱源 

・  冬期間における飲料水消毒用の塩素装置の凍結防止加温熱源

農水小型 

水力発電

既設の農業用の水ダムを流用して、取水した水 ・  育苗ハウスのピーマンやいちご等の温室栽培の温度管理・照明やもみすり機等
谷水小型 

水力発電

既設の砂防用ダムを流用して、ダム上流川に取水箇所を設け、取水した水 ・  キャンプ場やバンガロー等
渓流小型 

水力発電

渓流に小規模ダム(石積構造)を作り取水した水
温泉小型 

水力発電

地域の温泉排水をリサイクルするための小規模ダム(石積構造)を取水した排水 ・  温水加熱(冷泉) 

・  養魚場でのかくはん機等

工業用水 

小型水力発電

一般産業廃棄物での工場内冷却水の余剰落差(圧力)や、工業用受入槽での余剰落差(圧力) ・  工場動力負荷
下水処理 

小型水力発電

浄化処理された下水の放流箇所(港や河川9に設けられたある程度の落差 処理水漁場の噴水ポンプ場内夜間照明等

(資料)千矢博通「小型水力発電への夢」

 

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