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産業財産権

バイオマス

バイオマスとは、生物資源(バイオ/bio)の量(マス/mass)をあらわし、生物起源の物質からなる食糧、原料・素材あるいは燃料を意味します。農業・林業・畜産業・水産業である一次産業と直結して、従来は廃棄物として扱われていたもの、あるいは未利用のまま放置されていたものが、エネルギー資源として位置づけられるようになりました。

 

バイオマスをエネルギー源とする重要な意義は、CO2を増加させないことと地域資源である森林系や農業系バイオマスをエネルギーとして活用できることです。

 

バイオマスを燃やして排出されるCO2は、元々は大気中に存在したものであり、植物の光合成によって再び体内に固定されます。このため、エネルギーの消費と植物の育成のバランスを保てば、大気中のCO2濃度が上昇することはありません。このような考え方を「カーボンニュートラル」といいます。バイオマスの発生形態は一次産業・二次産業と密接な関係にあり、その地域に賦存するバイオマスの種類は地域の産業構造によります。その利用についても地域の産業と結びついた形の利用が考えられ、地域産業への貢献が大いに期待されます。地球規模でのバイオマス賦存量は膨大で、森林樹木の1年間の純生産量だけでも世界のエネルギー需要の7~8倍に相当するといわれます。実際には、全量が利用可能ではないこと、パルプや建材などに大量に利用されることにより、純生産量の10%程度はエネルギーに利用可能と推定されます。

 

バイオマスのエネルギー化については、直接燃焼、ペレット化・RDF化、炭化、ガス化、アルコール化など、様々な利用方法が存在します。

 

バイオマス資源は、主に農産系、畜産系、森林系、生活系と排出源によっても分類されますが、次では原料面からエネルギー利用方法を分類します。

 

分類 細目 エネルギー変換方法 エネルギー利用方法
廃棄物系 

バイオマス

  • 畜産資源(家畜糞尿等)
  • 食品資源(加工残渣、生ごみ、動植物製残渣等)
  • 産業資源(パルプ廃液等)
  • 林産資源(製材工場残材、建築廃材等)
  • 下水汚泥
メタン発酵 

メタン発酵

熱分解ガス化

直接燃焼

固形燃料製造

RDF/ペレット/チップ製造1

チップ・ペレット燃料

直接燃焼・炭化

アルコール発酵

BDF2製造

熱利用(暖房・給湯) 

発電

ガソリン・軽油

代替燃料

燃料電池

(肥料)

未利用 

バイオマス

  • 林産資源(林地残材、間伐材)
  • 農産資源(もみ殻、牧草等)
資源作物
  • 糖質資源(さとうきび、てんさい)
  • でんぷん資源(米、とうもろこし等)
  • 油脂資源(菜種、大豆等)
  1. RDF(Refuse Derived Fuel)・ペレットはいずれも固形化燃料で運搬保存が可能
  2. BDF(Bio Diesel Fuel)は軽油の代わりに使うことが出来る植物性燃料。

資料)社団法人日本有機資源協会「バイオマス・ニッポン」、NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」

 

 

特徴と課題

 

特   徴 課   題
・地球温暖化の防止:CO2排出を抑制(カーボンニュートラル)。 

・循環型社会の構築:廃棄物を有効利用

・エネルギー安全保障:さまざまな地域資源を炉用するため、エネルギー的に自立が可能

・固体、液体、気体燃料にして保存運搬が可能。

・さまざまな用途:熱利用、発電だけでなく、自動車、燃料電池等にも使える。

・農山漁村の活性化:一次産業と直結している資源が多く、雇用の創出につながる。

・ 技術的課題:日本に適した技術の開発・普及が求められる。例えば発電の場合、系統連系への信頼性の確保、地域特性に適したシステム開発、地域の技術者が対応可能な技術の開発等。 

・ 事業環境上の課題:社会認知度が低いと、設備立地の障害や事業リスクの過大評価につながり、資金調達等が困難になる。

・ 法制度上の課題:廃棄物と密接な関係にあり、廃棄物処理の制約を受ける。また、国内規格が未整備。

・ 事業性の課題:採算性を確保するためには補助制度が不可欠。

・ 地域の取組みでの課題:原料収集から最終利用・処理までの地域のしくみづくり、継続的取組みと人材育成。

 

 

コスト

 

利用形態 変換方法 コスト 条件設定 備考
バイオマス発電 直接燃焼 初期 約15億円 スギ樹皮、製材端材54,360t/年(逆有償)→ボード:1,200t電力:3,000kW蒸気:24t/h 能代森林資源利用協同組合 

概要資料より

維持 約2億円
熱分解 初期 約3.5億円 木材チップ約420kg/時(含水率30%)→発電:350kW熱:750kW メーカー資料より
ガス化 維持 約500万円
メタン発酵 初期 約9.3億円 生ごみ16t/日(約44,000人分) 

発電機:47kW×2基

ボイラー:300kg/h

北空知衛生センターパンフレットより
維持 不明
バイオマス熱利用 直接燃焼 初期 7,200万円 チップ・バーク→木質ボイラー 

180kWで暖房・給湯、温泉加温

下川町の温泉施設の事例
維持 45万円
メタン発酵 初期 6,000万円 乳牛130頭分の糞尿→処理能力4.3t/日→出力31.2万kcal/日 足寄町の牧場の事例
維持 70万円
バイオマス燃料製造 ペレット製造 初期 約4,000万円 学校教材端材→ペレット化 

110kg/h規模ペレットボイラー

10万kcal/hで工場暖房に使用

南幌町の民間企業の事例
維持 不明
バイオエタノール製造 初期 不明 てんさい、さとうきび 

稲わら、木材等から

エタノール製造

実証試験段階のため、コスト不明
維持 不明
BDF製造 初期 約1,550万円 廃食油200L/日回収 

稼働日数250日→

BDF180L/日販売

NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」

※コストは立地条件、燃料収集方法等により大きく変動するため、あくまで参考です。

 

 

導入施設


公共分野:

  • 病院、高齢者福祉施設、保育所等の暖房・給湯
  • 教育施設(小中学校等)の暖房・給湯
  • 観光施設(道の駅等)の暖房・給湯、温泉や温水プール等の加温
  • 下水汚泥処理施設・ごみ処理施設


    産業分野:

    • 農業ハウスの加温、家畜排せつ物のバイオガスプラント
    • 森林組合・木材工場・木材乾燥、暖房・給湯
    • 外食産業(レストラン)・食品加工場の暖房・給湯


      民生分野:

      • 一般家庭でのペレットストーブによる暖房
      • NPO、市民団体による生ごみや廃食用油回収、堆肥化、BDF化

       


         

         

         

         

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