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産業財産権

雪氷熱利用

 

雪氷熱エネルギーは、積雪寒冷地帯において、冬期間に集積した雪氷を雪室、アイスシェルターなどで保存し、それによる冷気を農産物の冷蔵や公共施設等の冷房や人工凍土に利用されています。雪氷熱の利用には雪と氷があります。雪氷利用は保湿換気冷房が可能であり、新鮮な空気(外気)を導入するため、従来の電気冷房に替わる人に優しい冷房技術としても利用の道が開かれています。

 

雪氷の冷機を利用したシステムの設置にあたっては、積算寒度が-200℃以上あれば適性と言われており、北海道は全域がその適地になります。

 

近年、より適切な貯蔵条件を保つことができる氷室システムや雪冷房システムが開発されています。実用化されているほか、アイスシェルター、アイスポンド、凍土などの冬期間の寒冷気により人工的に氷を作り利用する技術もすすめられています。現状ではヒートポンプによる雪・氷室による低温貯蔵技術が現実的です。

 

※  積算寒度: 0℃以下の日平均気温を年間を通して合計したもの。例えば-5℃の日平均が60日続くと、積算寒度は300℃・日となる。

 

 

●  特徴と課題

特   徴 課   題
・除排雪、無尽蔵の寒冷気を利用することができ、低温・高湿度保持が可能 

・維持管理費の低コスト化による経済効果

・農産物の通年貯蔵が可能になり、農産物安定供給による付加価値を得ることができる

・室内空気を汚染しない保湿換気冷房により、健康的でさわやかな環境を得ることができる。

・ 冷熱源から需要地までの距離の長さ、冷熱源の不安定性、冷熱源と需要のミスマッチ等の地域特性を踏まえ導入することが必要 

・ 貯雪(氷)庫等の場所が必要

・ 農業分野以外の潜在的需要量の把握が必要

・ 冷熱回収、供給性能向上に関する技術開発が必要

 

 

 

●  コスト

費用(電気冷房と比較) 雪利用 氷利用
初期費用 1.6~11.0倍と高い 2.9~13.4倍と高い
維持費用 0.2~0.6倍と安い 0.1~0.6倍と安い
総合費用 0.6~2.0倍 1.0~2.2倍

事例:馬鈴薯の雪室倉庫は1,000m2で1,101t雪貯蔵、初期投資3,600万円、ランニングコスト6.5万円/年でトータルコストは電気冷房と比較して62%。

(資料)NEDO「雪氷熱エネルギー導入ガイドブック」

雪貯蔵ではブルドーザー等で圧雪、高密度にし、移動式雪氷庫にするなどしてイニシャルコストを従来の3分の1まで削減できるという報告もある(新潟市)。

 

 

●  導入施設

  • 野菜等貯蔵庫(保冷)
  • 集合住宅、公共施設、福祉施設等(冷房利用)
  • この他、除排雪を利用して雪山を作り、夏期の融解で得られる冷水を冷熱源に、施設の冷房、農産物や味噌等の貯蔵や食味の工場に利用しているところもあります。

 

アイスシェルターの基本理念

アイスシェルターは、寒冷地の気候を利用して自然氷を作り、水と氷の共存(潜熱エネルギー)を利用して0.℃の環境を作り出したものです。

農産物の長期貯蔵は、大半が0℃を最適貯蔵条件とするため、一般に大きなエネルギーコストを必要とする電気冷蔵庫に依存しています。

製氷量は、積算寒度、貯水タンクの大きさ、タンク表面への送風量によって変わります。つまり、寒さに合わせた大きさのタンクを選び、冷気の送風量を多くすれば、それなりに多くの製氷が可能になります。

 

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